「アンカー付きオブジェクト」というのは、昔は「インライングラフィック」などと言われていた機能です。
この機能は、画像などを配置するときにテキストにアンカーポイントを置くことでテキストの増減に合わせて画像が動いてくれるものです。
作字(フォントにない旧漢字などをイラストレーターなどで作って埋め込む)をしたときとか、本文中に画像を配置するときとか、見出しに画像を使う時などによく使われます。
アンカー付きオブジェクトの良いところは、本文テキストに連動して画像が動いてくれるところです。
これにより、 ドキュメントの修正時にテキストの位置が変わっても対応する画像の位置を調整する手間が省ける(調整し忘れるミスを防げる)わけです。
この機能なんですが、InDesignでとっても使えるようになっていたので私なりの使い方を紹介させていただきます。
コラムなどの、囲みテキストに使う
アンカー付きオブジェクトは、画像以外、たとえばテキストフレームにも設定できます。
本文中に囲みでコラム的なものが入るとき、コラムを別のテキストフレームで作成しアンカー付きオブジェクトとして本文に配置すると便利です。
コラムなどはページの下部に配置されることが多いので、そういった場合は「カスタム」にしてテキストフレームを基準に配置することができます。
つまり、カスタムにするとアンカーポイントに関係なくオブジェクトを配置できるんですね。
これが、とっても使えるんです!
なお、カスタムにすると本文と重なってしまうので適宜「テキストの回り込み」を設定してください。
【注意】
アンカー付きオブジェクトにテキストの回り込みを設定してもアンカーポイントを置いた行は回り込みません。
回り込ませたいテキストの前の行にアンカーポイントを置いて、オブジェクトの位置をYオフセットで下にずらしましょう。
私は、Y基準を「行(行送りの先頭)」にしてYオフセットを行送りの数値に設定しています。
こうすると次の行のテキストに揃えられます。
複数行にまたがるカッコなどに使う
複数行をまとめてカッコでくくるレイアウト、たまにありますよね。
私の経験上このようなレイアウトは事故率が高いです。
前後のテキストが増減してカッコがずれても気づかないんですね。
そんなときは、カッコをアンカー付きオブジェクトにしてカッコでくくりたい行の先頭に配置します。
カッコはイラストレーターなどで作って画像として配置してもいいですし、カッコだけのテキストボックスを別に作って文字に大きく変形をかけたものを配置してもいいと思います。
1ページ丸ごと画像を配置するときに使う
1ページを丸ごと使って図表を貼りこむときもアンカー付きオブジェクトを使います。
100ページ越えのドキュメントだと修正時にテキストと図表の対応がずれてしまうことってよくあると思うのですが、InDesignのアンカー付きオブジェクトはテキストフレームをはみ出して配置できるので1ページ丸ごとの図表もテキストの増減によって動くようにすることができます。
ドキュメントの途中に別文書を挿入するときにも使えますね。
アンカー付きオブジェクトは大量ページものを制作するときには必須のテクニックだと思います。
配置画像をアンカー付きオブジェクトにするには1手間増えてしまうわけですが、修正作業が楽になったり事故を防ぐことができるのでもっと使ってくださいね!
この記事を書いた人
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FAシステムメーカー、国内最大手印刷会社製版部、印刷・ウェブ制作会社を経て、家庭の事情で実家に帰省して独立
現在はフリーランスと制作会社シニアディレクターのマルチワーク
ウェブ制作のほぼ全般を見渡せるディレクター業務が主だが、デザイン・コーディングも好き
1997年ブログ開設
WordPressコミュニティには2011年から参加
WordCamp Kansai 2016 セッションスピーカー
WordCamp Tokyo 2023 パネルディスカッションパネラー
WordBench京都、WordBench神戸、WordPress Meetup八王子など登壇多数
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