NTTPCコミュニケーションズのレンタルサーバー「WebARENA」、その中でも「SuiteX」という共用サーバープランは、その歴史や安定性から、よく使われているプランです。
「SuiteX」のPHPのバージョンは 5.1です。
最新版のWordPress等では PHP5.3 以上が要求されるのですが、SuiteXでは、.htaccess に下記の記述をすることで、PHP5.3 が使えるようになります。
AddHandler application/x-httpd-php53 .php
ところがこの設定を行うと、.htaccess でPHPの設定を変更することができなくなってしまいます。
たとえば、WordPress の携帯対応プラグインとして有名な「Ktai-Style」では、フォームで日本語の文字化けが起こる場合に、.htaccess で phpの設定を変更する必要があります。
php flag mbstring.encoding_translation Off
php value mbstring.http_output pass
上記の設定は、SuiteX のデフォルトバージョン5.1 では有効です。
しかし、php5.3 に対応させるために「AddHandler」の設定を追加した途端、php設定変更の指定が無効になってしまい、フォームで文字化けが発生するようになります。
エラーを発したりするわけではないので、気づかないこともあるかもしれません。
また、気づいたとしても、php5.3 を使用した場合の制限事項をよく読んでいないと、何が悪いのかわからないと思います。
他にもいろいろ例がありますが、このような仕様のため「SuiteX の php5.3 は使いづらい」というブログ記事を良く見かけます。
しかし、サポートに問い合わせてみると、ちゃんと解決方法があることがわかりました。
実は、php5.3 の設定変更は、「.htaccess」ではなく、「.user.ini」というファイルで行えるのです。
まず、「.htaccess」と同じディレクトリに「.user.ini」というファイルを作成します。
そして、.user,ini に、 php.ini と同じ記述方法で、phpの設定変更の指定を行います。
(.htaccess とは表記が違うので注意してください)
mbstring.encoding_translation = Off
mbstring.http_output = pass
これで、php5.3 でも、ユーザー側でphpの設定変更が可能です。
(変更できる項目は、.htaccess と同様の制限があります)
.user.ini は、.htaccess と同様、先頭にドットが付くファイルですので、Windows環境では、FTPツールを使うとか、サーバーにアップしてからファイル名を変更するなどの工夫が必要です。
本機能ですが、実は、WebARENA のサポートページなどを探しても全く情報がありません。
あまり、やってほしくないんでしょうか?
この件が原因で、WordPressのバージョンアップに合わせて、WebARENAから他のサーバーに移行したという話もたまに聞きます。
実は私のクライアントも、この件をきっかけに、エックスサーバーに移行されてしまいました。
機能的には問題ないのに、周知されていないために顧客が逃げてしまっているというのは、どうなんでしょうね?
メールサポートなどは迅速ですし、電話サポートもあって安心感のある会社だけに、残念です。
この記事を書いた人
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FAシステムメーカー、国内最大手印刷会社製版部、印刷・ウェブ制作会社を経て、家庭の事情で実家に帰省して独立
現在はフリーランスと制作会社シニアディレクターのマルチワーク
ウェブ制作のほぼ全般を見渡せるディレクター業務が主だが、デザイン・コーディングも好き
1997年ブログ開設
WordPressコミュニティには2011年から参加
WordCamp Kansai 2016 セッションスピーカー
WordCamp Tokyo 2023 パネルディスカッションパネラー
WordBench京都、WordBench神戸、WordPress Meetup八王子など登壇多数
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