WordCamp Kyoto 2017 に参加して、懇親会でLTをしてきました

WordCamp Kyoto 2017

梅雨に入っても晴れた日が続く6月末、京都大学にてWordPressの世界的カンファレンス「WordCamp Kyoto 2017」が行われました。
昨年・一昨年は「Kansai」という地域名を冠していたのですが、今年は都市名である「Kyoto」。
とはいえ、運営のメンバーは関西のコミュニティのメンバーが勢ぞろいです。(もちろん、他地域の方も多数いらっしゃいました)
ちなみに、京都でWordCampが行われるのは9年ぶりだそうです。

6月24日(土)はセッションデー、6月25日(日)はコントリビューターデー。
今回はハンズオンは無しで、セッションデーでは3トラックでセッションがぎっしり走る内容となっています。

昨年はセッションスピーカーとハンズオン世話役という立場での参加となりましたが、今回は一般参加で、1日目のセッションデーおよび懇親会に参加させていただきました。

昨年と違ってたくさんのセッションを聴くことができましたので、感想などを書いておきたいと思います。

といいつつ、この記事のメインは最後の懇親会の部分ですので、最後までお読みいただけると嬉しいです。

「のんびり更新でゆるゆるとアクセスを伸ばす方法」よしぱんさん

アクセスを伸ばすというと、やれSEOだSNSだキーワードだと肩に力が入った話になりがちですが、ちょっとした対策で個人ブログでもゆるゆるとアクセスを伸ばすことができるというお話でした。

「多くの育児ブログは単なる成長記録で、悩みごとの解決方法にたどり着けなかった」というご自身の体験から、育児ブログを見に来る人は自分の育児の悩みを解決したくて見に来る人が多いのだから、「解決した! 救われた!」と思える内容・体験談にするというのは、とても重要ですよね。

このセッションで「なるほど」と思ったのは、季節コンテンツ(年間のある時期に定期的に検索される記事)は、その季節の前に見直してテコ入れをするというところ。
公開後しばらくして見直すだけでなく、季節に目を付けるというのが参考になりました。

そして「8:2」というキーワード。
アクセス上位2割の記事が全体の8割のアクセスを占めているという「パレートの法則」から導かれる事象です。
つまり、定期的にテコ入れするのは上位2割の記事だけ
うん、これなら頑張れそうです。

WordPressに限らず、店長ブログとか会社のWeb担当の方などにもお役立ちのセッションだと思いました。

あと、WordBench京都でのセッションの時にも感じたのですが、よしぱんさんの声や話し方は聴き取りやすくて良かったです。

「秋田で起業して1ヶ月で青森観光開発コンテストでAWS賞とオーディエンス賞をもらった話」阿部文人さん

私は現在、京都府北部の地方都市でフリーランスで仕事をしていますので、地方で成功されている方の話はとても気になります。
阿部さんのお話はハッカソンで受賞されたときの体験談がメインでしたが、仕事を受注する際のプレゼンやコンペで勝つ秘訣にもつながるなと思いました。

  • コードはなるべく書かない(Webサービスなど、使えるものは使う)
  • デザイナーを連れていく(ちゃんとデザインする)
  • 外部モニターを持っていく

それにしても、やっぱりハッカソンで勝つような人たちって瞬発力が凄いですね。
それがそのまま普段の仕事に生きているんだろうなと思いました。

「AWS初心者向け、怖くないAWS」村主壮悟さん

最近、いくつかのクライアントさんから『AWSでやってみたい』とかいう話が出てくるので、いつかはやらなきゃとか思ってはいたのですが、「超高額の課金が来た」とか「英語で電話しないといけない」とか怖い話ばかり聞いていて、『今のところレンタルサーバーで事足りてるしなぁ、エックスサーバー強力だしなぁ』とか思って避けていたのです。

村主さんのセッションは、そういった怖い部分がどこにあるのかを明確にしてくださっていて、怖さはずいぶん減りました。
特にコストをコントロールするポイントがわかったのが良かったです。
まずは経験してみないと始まらないので、リスクの少ないところから始めてみて、感覚を養うのが良さそうです。

そして、次の辻さんのセッションに続くという流れになります。

「レンサバで頑張ってるあなたに捧ぐ~AWSで楽々運用する秘訣を大公開(QIITA付)~」辻一郎さん

辻さんはWordBench京都でよくLTをしてくださっているので、「いおたん」とかよく存じているのですが、AWSについてはやはり怖いという思いがありました。
今日は、直前の村主さんのセッションの流れで、より具体的な運用の話をしていただきました。
なんか、急に私でも出来そうな気がしてきました。

今回のWordCampでの一番の収穫は、AWSアレルギーがかなり少なくなったことです。
村主さん、辻さん、ありがとうございました。

「“外のモノサシ”を知れば、WORDPRESSはもっと楽しくなる!」小賀浩通さん

WordPressは、ブログからCMSそしてバックエンドシステムへと、その役割を変えてきているというのは、コミュニティで多くの制作者と話をする中で肌で感じてきていることです。
株式会社デジタルキューブの代表取締役として、長く深くWordPressに関わって来られている小賀さんのセッションを聴いて、私の中でモヤモヤしていたことがスッとつながった気がしました。

  • ツクル から ツカウ へ。
  • 大が小に勝つのではなく、速いものが遅いものに勝つ

WordPressはすでに「ハブ」としての役割を持ちつつあるのですね。これってとても大きなことだと思いました。

思えば、今年に入って私が参加したWordBench京都では、concrete5、kintone、Elastic Search、Stripeなど、WordPress以外のシステムの話が多く取り扱われましたが、まさにそれが今の流れだということなんですね。

「愛と涙のWORDPRESS無理やりカスタマイズ事例集」石川栄和さん

ぶっちゃけ、受託開発での「あるある話」といった内容だったのですが、そこは「BizVektor」、「Lightning」の作者である石川さん、全然レベルが違いました。

顧客の要望に対応するためにWordPressにありとあらゆる方法で機能を追加していく過程や方法を話していただいたのですが、将来の拡張に対しても対応できるように考えつつ、WordPressが持っている機能や仕組みをうまく活用して作り上げていくのは、さすが有名テーマ・プラグインの作者だと思いました。
「使い方次第で、WordPressはなんでも出来る!」って言いきれるのが凄い。
きっとこういった苦労を糧にして、とても実用的なテーマ・プラグインが作られているんですね。

ただ・・・
顧客との最初の打ち合わせで必要な機能を洗い出すことができていたら、おそらく私だったらWordPressではなくてconcrete5を使っていただろうな、と思ったのも事実です。
(社内イントラ、多言語、権限、承認フローなど)

石川さんも最後に言っておられましたが、

「仕様はしっかり固めよう」

これに尽きます。
まぁ、それができないから、いつも大変なことになってしまうわけなんですけどね。

「ニュースアプリのAPIにWORDPRESS.COMを採用してよかった話。そしてその苦労と嵌りどころ。」榊原昌彦さん

Web制作者が「WordPress」というと、普通はサーバーにインストールするタイプのWordPressを指します。
このセッションではそちらではなく、Webサービスとして運営されている「WordPress.com」を利用する話ということで、これまでありそうでなかった内容でした。

WordPress.comは、言ってしまえば、アメーバブログ・Jimdo・Wixなどと同じ、登録するだけですぐにブログが持てるWebサービスです。
ベースはWordPressですが、使えるテーマやプラグインが制限されていて、Web制作者の多くは、自分たちがあえて使うようなものではないと考えていると思います。

しかしWebサービスなので、執筆機能は使いやすく、スマートフォンアプリもあります。
システムセキュリティなど保守はすべてサービスに任せられるので、運用者がWebに詳しくなくても安心です。
そこで、そういった機能だけを使いAPI経由でデータを取り出して使う、WordPress.comをバックエンドとして使おうという話なのです。

これはまさに、目からウロコが落ちたセッションでした。

LT(ライトニングトーク)大会

1日目最後は恒例のLT大会です。
LT(ライトニングトーク)とは、5分間という短い時間で行うセッションのこと。
名前の通り稲妻のようにブチかます(笑)、熱いセッションです。

実は、昨年のWordCamp Kansai 2016 では、私が登壇したセッションの裏にLT大会が開催されてしまい、自分がLTを見れなかっただけでなく、聴衆も持っていかれてしまったという悲しい経験をしたので、今回のようにちゃんとLT大会をセッションと重ならないようにしていただいたのは、とてもありがたかったです。

  • 学校の先生からWordPressによってWeb制作者になった話
  • WordCamp Tokyo 2016 のコントリビューターデイでちょっと話をしたら、WordBench倉敷があっという間に立ち上がってしまった話
  • 焼き鳥屋さんは手が使えないので、VoiceでWordPressサイトを更新する話(デモ付き)

(LTは集中して聴いていて内容をメモしたりしていないので、上記の内容は正確でないかもしれません)

多数の応募の中から選ばれただけあって、どれも興味深い内容で、とても面白かったです。
特に、VoiceでWordPressを更新する話は、笑えたし未来を感じたし、WordPressの可能性も感じました。

そして、メイン(?)の懇親会!

今回の私のメインは、吉田食堂に場所を移して行われた「懇親会」でした。
実は私、本編のLT大会に応募していたんです。
そしたら、セッションチームの Toro Unitさんから『川井さんのネタは懇親会で』とのことで、ある意味、本編のLTよりハードルが高いところに登壇することになったのです。

その懇親会LTの登壇者ですが・・・

  • トップバッターが私。
  • その次は、関西でLT芸人としての確固たる地位を築きつつあるコンチさん
    WordCampの少し前に公開された、俺の嫁やうちの旦那の惚気話をアップするサイトがネットメディアにもとりあげられて大注目されています。
  • 最後は、JUSO Coworking を運営されている、ドクターこと深沢幸次郎さん
    WordPressの書籍を、WordCampにも参加されているコミュニティ仲間との共著で出版されたばかりで、こちらも大注目です。

『ちょっと待ってよ! 他の二人は、まさに”旬”の人ばかりだぞ! 私は、どうしたらいいんだ?』

正直、LTのメンバーを知らされたときは相当ビックリしました。
さらに懇親会LTの進行役は、LT芸人といえば必ず名前が挙がる、GOUTENさんなんです。

もう、凄すぎる。

でも逆に、『旬でも何でもない私をこんな人たちと同列に扱っていだたいているんだ。もしかしたら俺も凄いのかもしれない!』と思い直して、思い切ってぶつかってみることにしました。

というわけで、懇親会LTトップバッターとして、思いのたけをぶつけたスライドがこちらです。

たった5分のLTに、スライド43枚です。

バカですね(笑)

でも、きっちり5分ぴったりでやり抜きました。
ウケてほしいところでウケたし、自分では満足のいくLTでした。

ただ、次のコンチさんのLTがもう強力すぎて、完全に持っていかれてしまいました。

さらに飛び込みで、角田一平さん、池田百合子さん、Mignon StyleさんのLTが続きました。
うわー、超有名人ばかり。
しかも面白い。
こういった方々は、いつでも登壇できるように常にLT用のスライドを持ち歩いているという話も聞きましたよ。恐ろしいですね(笑)

もう、私の事なんて覚えている人なんているのかな・・・という感じでしたが、とにかく会場は大盛り上がり。
とにかく楽しかったです。

そうそう、LTのあとでフォントメーカー「モリサワ」の方々が話しかけてきてくださったんです。
モリサワさんは今回フォント関連のセッションもされていたのですが、私がスライドの注目ワードにモリサワフォントの「丸フォーク」を使っているのに気づいて話しかけてきてくださったそうです。
さすがですね(笑)
さらに、私がLTでネタにした「しいたけ占い」のWebページでモリサワのWebフォントが使用されているらしく、更新の時は凄いアクセスが来るので備えているというお話も聞くことができました。

懇親会の後は2次会に突入。
2次会の後はホテルに帰ったのですが、なんと私を含めて4人の方が同じ宿だったんです。
(あの、ザ・プライムポッド京都です)
ホテルのラウンジで3次会。深夜までいろいろと楽しい話をさせていただきました

まとめ

2日目のコントリビューターデイは、家の改築やペットの事情などもあるため参加せず、お昼過ぎに帰路につきました。

今回のWordCamp Kyoto 2017のテーマは「connect to __」
Twitterでしか繋がっていなかった方と初めてお会いしたり、東京・名古屋・長崎など普段会えない遠方の方とも久しぶりに繋がったり、とても有意義なイベントでした。
この繋がり、もっと広げて、さらに深めていきたいと思います。

このブログを読んでくださっているみなさんとも、何かのイベントで、きっとお会いできるはずです。
そのときは、ぜひお声がけくださいね。
そして、「しいたけ占い」の話でもしましょう!

この記事を書いた人

川井 昌彦
川井 昌彦
FAシステムメーカー、国内最大手印刷会社製版部、印刷・ウェブ制作会社を経て、家庭の事情で実家に帰省して独立
現在はフリーランスと制作会社シニアディレクターのマルチワーク
ウェブ制作のほぼ全般を見渡せるディレクター業務が主だが、デザイン・コーディングも好き

1997年ブログ開設
WordPressコミュニティには2011年から参加
WordCamp Kansai 2016 セッションスピーカー
WordCamp Tokyo 2023 パネルディスカッションパネラー
WordBench京都、WordBench神戸、WordPress Meetup八王子など登壇多数

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