アメリカンパイ=タルト?
アンミラのパイは、「アメリカンパイ」というれっきとした「パイ」だということはわかりました。
でも、いろいろ調べていくうちに「アメリカンパイ」と「タルト」が、だんだん同じものに見えてきたのです。
だとすると、「アンミラのパイって、タルトだよね?」というのも、あながち間違いではない・・・ということになりますよね?
私はこれには納得できません。
アンミラのパイはタルトじゃないことを証明するために、こんどは「タルト」を調べてみることにしました。
タルトの定義とは?
先ほどと同じように、まず「タルト」でググってみます。
パイ (英)pie
果物などを生地で包んで焼いたもの。仏語のパテ(pate)またはタルト(tarte)がこれに当たる
型にパイ生地を敷き、果物、肉、野菜等を詰め、生地でふたをして焼いたもの。アップルパイ、ミンスパイ、フルーツパイなど。
パイ皿に果物、肉、野菜等を入れ、生地でふたをして焼いたもの。
レイヤーケーキ(層状ケーキ)であるのにパイと呼ぶもの。ボストンクリームパイ、ワシントンパイなど。
日本ではパイ生地を略してパイと呼ぶことがある→パイ生地タルト (仏)tarte
練り込みパイ生地を円形の皿型に焼いたケースに、クリームやソースを詰めたり、それにフルーツを飾ったりしたもの。タルトの小型のものをタルトレットという。
愛媛・松山の半生名物菓子。ゆず風味のこしあんをカステラで巻いた、ロールケーキの様なもの(”菓子パン繁盛ネット” 「用語集」より
http://www.kashi-pan.com/)
うーん、これでは全然わかりません。どっちかというと、アンミラのパイはタルトの定義に近いみたいです。
不安になりつつ、もっとググってみます。
アメリカンパイ風ミックスフルーツタルト
タルト生地を作る
ボウルに粉類を入れ、塩、グラニュー糖を加えて混ぜておく。
バターを(1)に入れ、粉をまぶしながらカードでさらに細かく刻む。
・・・(”旭化成ライフ&リビング” 「レシピライブラリ」より
http://www.asahi-kasei.co.jp/saran/recipe/0587.html)
???何でしょう? このお菓子の名前は?
「アメリカンパイ風」のタルトということは、アメリカンパイとタルトは別物ってことですよね?
タルトと言えばクッキーに似た台にフルーツを乗せたものと言う印象があるが、本来は浅い皿状の器を指した言葉だった。
同じものをイギリスでは”フラン”、フランスでは“タルト”と呼ぶ。
これは素材が何であっても同じこと
クッキーだろうがパイだろうが、果ては陶器だろうが構わない。
そしてこのタルト(フラン)を焼くための金属の型が”タルト型”と呼ばれる我々が使う型である(”@nies” Column – 「君の名は」より
http://anies.net/)
前回のエッセイでタルトが本来は皿そのもののことだと書いた。
陶器の皿では食べるわけにはいかないが、サブレやパイ生地で作った台ならそのまま食べられるし何より美味しい。
今回はそんなタルトの台について。
タルトの台には様々な種類の生地が使われている。
主に
・折り込みパイと呼ばれるパート・フィユテ
・練りパイ、もしくはアメリカンパイとも言われるパート・ブリゼ
・バターを切り込んで作り、割と固めに仕上がるパート・シュクレ
・クッキー生地に似たパート・サブレなどがある。(”@nies” Column – 「タルトを極める」より
http://anies.net/)
ええっ? タルトの台に「アメリカンパイ」が使われている?
私はここで、かなり頭が混乱してきました。
なんで、「アメリカンパイ」がタルトの「台」な訳?
いったい、アメリカンパイって、何なのよ?
アメリカンパイの2つの顔
どうやら、「アメリカンパイ」という言葉には、
・お菓子としての「アメリカンパイ」
・材料(生地)としての「アメリカンパイ」
という2つの意味があるようです。
そこでさらに、生地について調べてみます。
アメリカンパイではなく、「パート・プリゼ」で調べてみると
パートシュクレ
練り込みパイ生地の一種で、砂糖と卵黄が入っているのが特徴。タルトに使うのが一般的ですが、クッキー生地としても使えます。
パートプリゼ
塩味だけの練り込みパイ生地。パートシュクレに比べてバターも少なく、さっぱりとした味。この生地で作ったパイはアメリカンパイとも呼ばれています。
(”Colonial Factory!” 「お菓子用語辞典」より
http://www.geocities.co.jp/Foodpia/1090/jiten.htm
思い出してみてください。
アンミラのパイの生地部分って、甘かったですか?
クリームなどの甘さを生かすために、生地自体からは砂糖の甘さは感じなかったのでは?
そろそろ結論
ここまで読んできて、皆さんも混乱してきたと思います。
で、実際どうなのよ? という声が聞こえてきそうです。
ここで、ちょっと整理してみましょう。
アメリカンパイは「お菓子」と「生地」の2種類の意味があり、「生地」としてみたとき、タルトの生地として使われる事があります。
ですから、タルトの台にアメリカンパイが使われていた場合、そのタルトとアンミラのパイは同じ種類の生地だということができます。
では、逆も真なりで、アンミラのパイはタルトといえるのでしょうか?
ここで、ハッキリ申し上げましょう。
アンミラのパイはタルトではありません。
理由は明白。
タルトは「タルト台」に載っていなければならないんです。
でも、アンミラのパイが載っているのは「パイ皿」。
形が違うのです。
だから、見た目がそっくりでも、材料が同じでも、アンミラのパイは「タルト」ではなく「パイ」なんです。
ふぅ・・・
なんか、ちょっと強引なような気もしますけど、アンミラのパイはパイだってことは納得していただけたかなぁ?
ところで、最初のほうで触れた、「アメリカンパイ」の別の意味のことですが・・・
「アメリカンパイ」という映画の中で、若い男の子がアップルパイを、いわゆる日本で言うところの「コンニャク」として使ってるんですねー。これがそのまま映画のタイトルになっているというわけ。
これ以上の解釈は、ここでは遠慮させていただきますね(笑)。
アンミラのパイは、パイじゃない?(その1) にもどる
この記事を書いた人
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FAシステムメーカー、国内最大手印刷会社製版部、印刷・ウェブ制作会社を経て、家庭の事情で実家に帰省して独立
現在はフリーランスと制作会社シニアディレクターのマルチワーク
ウェブ制作のほぼ全般を見渡せるディレクター業務が主だが、デザイン・コーディングも好き
1997年ブログ開設
WordPressコミュニティには2011年から参加
WordCamp Kansai 2016 セッションスピーカー
WordCamp Tokyo 2023 パネルディスカッションパネラー
WordBench京都、WordBench神戸、WordPress Meetup八王子など登壇多数
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